【無幻真天楼 第十三回】ふわふわり
「待て!! 阿修羅!!!」
その後をお約束というカンジで竜が追いかける
「冷静になれ!! お前くらいの頭のいいヤツなら上が…」
「やかましい!!!」
追いかけながらかけた声に阿修羅が怒鳴り返した
「オライにもうなくすもんないんきに」
その言葉に竜が足を止める
「阿呆」
その直後に竜が言った言葉に阿修羅もまた足を止めた
しばしの沈黙
ガッ!!!
いきなり響いたのは何かが激しくぶつかった音
ズガガガガガガガガガガガガガ!!!!
その音は連続して何度も響いた
「お前に何がわかるんきに…」
ギリギリと竜に拳を押し付けながら阿修羅が言う
「お前にオライの何がわかるっていうんッ!!!!!!!!!」
ズザァァアアアアアアア----------…
押された竜がわざと後ろに下がり土ぼこりがあがった
「お前のことはたしかにわからないけど…ッなッ!!」
ガガッ!!
話している最中でもお構い無しに阿修羅が拳を振り下ろしてくるのを竜が受け止める
その後も連続して繰り出される攻撃に
「ッ…少しは!! 俺に!話させろ---------------ッ!!!」
竜がキれた
無数の光が阿修羅の体に刺さり、かすめる
阿修羅の衣服の断片と髪がハラハラと床に落ちた
「あ…;」
しまったと思ったのか竜の動きが止まる
ガクンと膝をついた阿修羅の体が地面に倒れこむ前に竜がその体を受け止めた
「…スマン…;」
「…またこの技でやられるんけ…はは…」
阿修羅がか細く笑った
作品名:【無幻真天楼 第十三回】ふわふわり 作家名:島原あゆむ