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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その3】

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「お前はいつもなんも言わねぇ。お前は……誰よりも強く見せようとしてる。でも、誰よりも弱いこと、オレは知ってる。
 いつでもオレはそばにいるから。いつでもオレは、お前を護ってやるから!」


『僕こそあなたを護るためにやってきたのに』
『心配しなくてもいいですよ。ちゃんと私が最後までおそばにいますから』

 ミシェルも言っていたな……
 私はいつもいつも周りの人たちに護られて……
 でもそう思っていたのは私だけで……
 フィルも本当は護ってくれていたわけじゃない。
 もしかしたらミシェルも……
 
 私は悔しかった。


「ありがとう……本当に……。でも、大丈夫だから。心配かけてごめん……」

 私はそのまま雨の中、傘もささずに海の方へ歩いた。



 結局その日、私は学校も行かず、冷たい雨の中ずっと海を見ていた。