moonlight(中編)
珍しく巧が訊ねる。
その質問にネオは、周囲に花が咲き誇るようなニッコリ笑顔で、
「うん!」
と即答。
三人は、目を丸くして、
「「「ええええええっ!?」」」
と仰天する。
「うっそ!」
と未知流が呻き、
「マジっスか!?」
と絢都が疑念を抱き、
「へ、へえ……」
巧はどんな反応していいか分からず、動揺する。
三者三様の反応に、ネオは思わずクスクスと笑ってしまう。
「にってるでしょ~♪」
ね! ね! と賛同を求める。
しかし、
「に、似てませんよ~」
そう言うのは絢都。
「思い違いですよ~。だいたい、こ~んなにネオ先輩が美人なわけないでしょー? 先輩はもっと、ガサツで、態度がデカくて、意地っ張りで。それが絵に表れてないッスよ~」
バカにしたように、「違う、違う!」と言い放つ。
それを聞いたネオはムッ! となり、
「何よ~、わたしはいっつもこの絵の通りでしょー!」
「いいや、ぜんっぜん違いますって! 美人には程遠いッス!」
「なによ~! いつだってわたしは美人よ!」
「いやいや、カマみたいにグサッ! と殺人鬼ヘアーで斬りつけてくる時点で、美人ではなく悪魔っスよ!」
「わたしのトレードマークにケチつける気!? ていうか、いつそんなことしたっていうのよ!?」
「部活帰りにありました、よ!」
「それはあんたの注意不足でしょーが!」
「いーや、先輩っス! とんでもない野獣っスよ!」
「わたしが野獣!? はっ、ふざけないでよ! だったらあんたは、ナルシストぶりをお山の上で披露する変態ザルよ!」
作品名:moonlight(中編) 作家名:永山あゆむ