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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight(中編)

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 強がるネオに武藤はフッ、と笑みを浮かべる。
「実緒を不登校へと追い込んだのはあんたね」
 ネオの唐突な発言に、武藤は、ギャハハハハと哄笑する。
「不登校へと追い込んだぁ!? 嗤わせてくれるぜ! オレのせいじゃねぇ。あいつが原因なんだよ!」
「何、それ? 一体どういうこと!?」
「ククク。あいつの絵は、部員の誰よりも上手くて、憧れの対象になった。あいつは簡単に俺の地位を奪いやがったんだよぉ!」
「!」
 武藤の発言に、ネオは絶句する。
「入りたての頃は、俺が部活のエースだった。先輩や同級生からも、憧れの対象になった。その高みにオレは喜びを感じた! オレこそが! 頂点だとな! だが、そんな俺の居場所をあいつは、」
 厳つい顔つきが、鬼のように変化する。
「今年の春のコンクールで、俺よりも格上の賞を取りやがったんだよ! おかげで部員の注目も変わった! 何もかも! あいつは俺の地位を簡単に掻っ攫いやがった! 大人しく、誰にも悟られず、平然と! おかげでオレのプライドはズタズタになった! しかも、部員に褒められても、大人しくやってやがってよぉ、お嬢っぽいオーラを出すあいつに、オレはムカついた! だからよぉ、」
 武藤はニヤッと笑みを浮かべ、
「あいつのキャンバスに毎日、ラクガキをして、むちゃくちゃにしてやったのさ! どっちが『格上』だったのかをハッキリさせるためになぁ! クックック、あいつの絶望に満ちてその場で佇んだ表情、実に愉快だったぜぇー!」
 フハハハハハ! と武藤は高らかに嘲笑した。
 その高嗤いを美術部の部員たちは、他人事のように見つめる。武藤に逆らうことのできない奴隷みたいだ。
 夏休みに『部員にバカにされるし』という実緒の言葉が、ネオの脳裏に浮かぶ。恐らく、この悪魔が何度も言っていたのだろう。
「だからオレは、竹下を追い詰めちゃあいねぇ! あいつは、オレを追い詰めた罰を受けたのさ!」
 武藤は俯いているネオの顔を覗く。
「これで分かっただろう。俺に逆らうとどうなることが! だったら、とっとと……、」
「何よ、それ?」
 あん? と首をかしげる武藤に、ネオは怒りのこもった声色で、
作品名:moonlight(中編) 作家名:永山あゆむ