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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight(中編)

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「くらえ!」
 二人はネオに殴りかかる。
「くぅっ!」
 ネオは双方から一発ずつ悪友たちに殴られ、よろめく。
「な、なによ……自分はただの傍観者じゃない。ホントにひきょ……ううっ!」
 悪友にみぞおちを喰らい、膝をつく。
「ははは、やっちゃえ!」
 悪友に殴られ、あおむけに倒れてしまう。
 そのまま殴られ続けられるが、ネオは一切抵抗しなかった。そんな彼女の内心に気づけなかった、自分への罰として。
 一体、何があったのだろう。なんで、そこまで傷ついたのだろう。
 意識が遠のく中、そればかりが頭に過った。
 ごめん。本当にごめん。
 親友の気持ちに気づけないなんて、最低だね……。
 あんたの言う通り、独りよがりだ……。
 いっそこのまま、消えてしまっても……。
 その時。
「ネオ!」
「おまえたち! 何をしている!?」
「「「!」」」
 三人はにビクッとし、振り向いて廊下に立っている二人を見つめる。
「あに、き……? せん、せい……」
 弱々しく掠れた声で、助けに来た二人を呼ぶ。ネオはそこで意識が途絶えた――

「ん……」
「ネオ!」
 二歳年上の兄の顔が、目に映る。
「あにき……」
 弱々しい声を発しながら、見つめる。
 窓から差し込んでくる夕日が眩しい。
「良かった、無事で!」
 ネオの兄は学校の保健室にある白いベッドの上で、顔が腫れている妹を優しく抱きしめた。
作品名:moonlight(中編) 作家名:永山あゆむ