小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

moonlight(中編)

INDEX|2ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 

 そんな日々が毎日続き、気が付けば九月の中旬。
 紅葉が少しずつ色つき始めるこの季節。総合祭へ向けて、学生たちのテンションも日に日に高くなっていく。
 今宵も沈む夕日をバックに、演劇部の活動を終えたプレハブ小屋で、せっせと機材を準備し、文化祭に向けた活動が始まろうとした……のだが、
「ネオ先輩、遅いっスねぇ~」
 呆れ顔で、絢都は呟く。
「前もそんなことがあったような」と巧は絢都の呟きに続く。
 三人は、何の返事もないネオを待っている。
 今日は、総合祭でやる選曲を一通り音合わせする日。そのため、ボーカル兼リーダーである彼女がいないと練習にならないのだ。
 活動開始の時刻から三〇分が経過している。
「あれでも二人の先輩でリーダーで創部者だってのに……自覚がないのかねぇ~」
 はぁ~、と未知流がため息を漏らす。
「しょーがない。携帯にかけても連絡も来ないから、三人でさっさと、」
 と言いかけたそのとき、
「みんな――――――っ!!」
 ――外からネオの大声が聞こえてくる。
 そして、
 ズザアァァァ――――――ッ!!
 急ブレーキで砂埃が巻き起こる。
 猛ダッシュでここまで来たことをアピールして、お騒がせ娘が未知流たちの真正面に現れる。
 そのまま靴を脱ぎ、
「ごめ――――――ん、遅くなっちゃった」
 涼しげな顔で、ネオはすぐさまプレハブ小屋へと入っていく。
「「……」」
「あれ? みっちぃ、絢都、どうしたの?」
 冷たい視線で自分を見つめる二人に、ネオは訝しそうに見つめる。巧は冷徹な二人が恐ろしいのか、背中を向ける。
 未知流がネオのもとへと行く。その一歩はズシン、とプレハブ小屋全体を揺らしているかのようだ。
「?」
 ネオは不思議そうに未知流を見つめる。
作品名:moonlight(中編) 作家名:永山あゆむ