moonlight(中編)
未知流なりの気遣いに内心感謝しながら、
「わかっているわよ!」
と強気で、威張った態度を取る。
――うん。みっちぃの言う通り、信じよう。わたしと実緒は『夢』を追いかける親友だもの! 大丈夫!
親友になる以前から、実緒のことは信じているのだ。ここで信じないでどうする。わたしらしくもない。
ネオは開き直り、準備ができた三人に向けて、いつものハイテンションな声で、
「よぉーし! 今日も爆音で夜を明るく照らすわよ!!」
「「「おおーっ!!」」」
部員達はネオの大声で盛り上がる。
そして、練習という名の夜の宴が今日も始まった。
しかし、ネオは気づいていない。
『彼女』の闇が、手を取れないくらい、今もなお深く深く掘進(くっしん)していることに――
――総合祭まで、あと二週間と三日。
作品名:moonlight(中編) 作家名:永山あゆむ