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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight(前編)

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「ネオちゃんも今から軽音の活動?」
「そうよ……ってなんで知っているのよ!?」
 こんなに大人しい子は自分のことをあまり知らないのでは、とネオは内心失礼ながらも疑う。
「え? だって、去年、あんなに騒いでいたら、誰もが注目するんじゃないかしら?」
「うっ……そ、そうね。あんなに大々的なことをやっていたら、ね」
 ははは、とネオは、昨年の大胆な行動を思い出した。本当に色々と迷惑なことをしてもんだ。
 もう少し学校のルールに乗っ取った行動をしたら、すんなり創部できたかもしれない。先生たちの説得よりも、先に生徒会とコンタクトを取って、味方になってもらう……とか。

 ――昨年、生徒会や先生の許可もなく、一年から三年までの全クラスに、誰もいなくなったタイミングを見計らって、教卓側の黒板に、「プレハブ小屋でゲリラライブ開催!」のビラを貼ったのだ。
 翌朝は大混乱だった。学生たちは、「おおーっ」、「こんな奴がいるのか~」と、感嘆の声をあげていたが、クラスを受け持っている先生たちは驚愕した。「何の許可もなく宣伝するな!」と、担任の先生や、軽音の創部を良しとしない教頭にこっ酷く叱られた。そして、それを教えなかった未知流にも。当然、この独断専行のライブは中止になった。
 しかし、これが学生全員の注目の的になったのは、不幸中の幸いだった。
 休み時間に、「是非やってくれよ!」とライブの開催をクラスメイトやネオ知る学生にせがまれ、「勝手にプレハブ小屋を開催場所にするのは感心しないけど、少しの時間なら使ってもいいわよ」と、クラスにいた演劇部の友達を通じて、部長から許可をもらうことが出来た。そして、生徒会にも話をして、「これで評判が良かったら創部について考えて!」と説得し、生徒会の認可を受けて、先生には内緒でゲリラライブの開催が決定したのだ。
 途中から駆けつけてきた教頭を始めとした、数名の教師たちが止めに入ろうとしたが、それは演劇部や生徒会、そしてプレハブ小屋に集まった大多数の学生たちがネオと未知流の盾となり、大盛況のうちに幕を閉じた。
 それを受けて、生徒会の意見を参考に、校長から同好会の創部を認められた。
 創部という願いがかなって、ネオは未知流とともに喜びを噛みしめた。本当に心から喜んだ。同時に、色々な方たちに迷惑をかけたことも事実ということを忘れてはいけないと、ネオは思った。ここにいる学生のたちのおかげで、それが成り立っていることを。それを裏切らないために、自分なりに走っていかないと、と。

 ――そのことを実緒とのやり取りで、改めてその「責任」という重みを感じた。
 存続の為に、頑張らないと。
作品名:moonlight(前編) 作家名:永山あゆむ