小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

moonlight(前編)

INDEX|14ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

「数学Ⅱだよ。で、その次が英語Ⅱ」
「あちゃあ~、わたしは英語Ⅱで、6時間目が数学Ⅱだよ~」
 入れ違いかぁ~、とネオは残念そうに額に手を当てる。
 もしかしたら授業の合間にヒソヒソと話すことができるかもしれないと思ったが、案の定、この女子学生は別の科目を取っていた。
 この高校は、「総合高校」という名の通り、普通科や専門学科を設けている高校とは違い、大学のように自分の進路に合わせて科目を選べることができる。そのため、学生によって時間割が違うのだ。稀(まれ)に同じように選択している者もいるが。
「じゃあ、また後で話そっか」
「そうね。出来れば帰る前とかに。ええっと、ええっと……ごめん、名前を教えてくれない?」
 あははは、と自分の情けなさに苦笑するネオ。
「竹下実緒(たけしたみお)、よ。麻倉(あさくら)さん」
「ネオでいいよ。じゃあ、また後で」
「うん」
 実緒に手を振り、ネオは廊下側から二列目の一番後ろにある自分の机へと戻り、英語の教科書とノートを取り出す。
 実緒かぁ……いい友達になれそうね。
 胸を弾ませながら、ネオは自分を呼ぶ友達の下へと向かった。



 午後のホームルームが終わり、ネオは早速、
「みおっち~♪」
 ――教科書を鞄の中に入れている実緒の下へと向かった。
 早くもフレンドリーに渾名(あだな)で呼ばれた彼女は、
「あっ、ネオちゃん」
 何の抵抗もなく、気さくにネオの名を呼ぶ。普段はおとなしいが、自分に親しくしてくれる人には打ち解けることができるのだろう。
「お疲れ~、今から部活?」
「うん」
「やっぱり美術部?」
「そうだよ」
「あぁ~なるほど、納得」
 実緒があんなにうまく絵が描けることが何となく分かった気がする。もちろんその裏では努力をしているはずだけど。
作品名:moonlight(前編) 作家名:永山あゆむ