株に遊ばれて
(7) バタフライ効果
株は複雑系のカオス(混沌)の世界にあると言われている。
したがって、きっちりとパラメターを選び、公式を単純化させる。
そして、ここが大事なのだが、初期値を正確なものすれば、株価の動きはきっと予測できるはず。
しかし、これに対し、「猿のダーツ投げ」という理論(?)がある。
相場のプロがポートフォリオを組み運用する。
また一方で、猿が目隠しをし、ダーツを投げて、当たった銘柄でポートフォリオを組んで運用する。
プロの運用結果、そして猿の結果、つまるところ、その損得は同じ結果になると言う話しだ。
まあ、株をこよなく愛し、人生ハラハラとしながら暮らしている者にとっては、まったくヤル気を逆なでにする理屈だ。
だが、当たらずといえども遠からず、その通りかもと思えてくるものだから・・・憎い話しだ。
そもそも株の値動きは、上がるか下がるかの二方向しかない。
そして、そこにはそうなった原因がある。
だが残念なことだが、その時はその原因に気付かない。
カオスの世界にバタフライ効果(butterfly effect)というのがある。
普通見落としてしまう小さな差がやがて大きな差になるというものだ。
つまり「北京で蝶々が羽を振ったら、ニューヨークで嵐が起こる」という話しだ。
しかし、これには未だその因果関係が見つかっていない。
むしろ「風は吹いたら桶屋が儲かる」の話しの方が、その因果関係がはっきりしている。
風が吹いて、砂が舞い上がり、目を悪くする人が増え、按摩さんが増え、三味線が増え、その猫の皮の使用量が上がり、猫が少なくなり、鼠が増え、桶がよく囓られるようになり、そして桶屋が儲かる。
バタフライ効果とは、もしその風が少し弱かったら、桶屋は儲かっていなかったという理論だ。
うーん、まったくその通りだが、
「風が吹いたらバブルが来る」
そんなバタフライ効果はないものだろうか。