ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー?
(8) 上出来
ゴルフは、時として自分でも驚く・・・良いスコアが出ることがある。
その頻度は年に1回、あるいは3年に1回。
人それぞれだが、必ず『上出来』がある。
しかし、そこからが不幸の始まりなのだ。
まず、なぜそんな良いスコアになったのかがわからない。
その上に、厚かましくも、それが己の実力だと勘違いをしてしまうのだ。
そして、次にまたコースに出た時に、
非常に残念なことだが、やっぱり普段の自分に戻っているのだ。
だが、こんな事態が自分で認められない。
もうすでに、頭の中では『上出来』が己の標準値になっている。
そのギャップから聞きたくもない数々の愚痴が生まれる。
そして、独り言が飛び出してくる。
さらに残酷にも、そこからまた七転八倒のゴルフ人生が再開されるのだ。
そんな苦しみから抜け出すためには、一体どうしたら良いのだろうか?
それは練習?
それだけではないような気もする。
そうならば、センスの問題?
そう結論付けされると、面白くもないし・・・
ならば、取り組む姿勢?
ゴルフはピクニック、なんて言われてもね・・・ちょっと。
『上出来』を味わったゴルフアー、その後、そんな葛藤がずっとずっと続いて行く。
そして再びコースに出て、結局は・・・なんでやねん!
と、怒り叫ぶ己がそこにあるのだ。
ゴルフ教訓
「上出来は、やっぱり上出来だったのだと再認識しろ」
作品名:ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー? 作家名:鮎風 遊