小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー?

INDEX|12ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

3-(11) 名門ゴルフ場のキャディさん

名門のゴルフ場でプレーしたことがある。
もちろんベテランのキャディさん付きだ。

キャディさんが助言してくれる通りにプレーして行けば、大きなミスはない。
その上に、鮎風さんではなく、鮎風「さま」と呼んでくれる。
「さま」って、そんなの生涯の中でそうそう呼んでもらったことがない。
実に優越感はくすぐられ、気分は上々となる。

その上にだ、素直に従えば、強き守護神となってくれる。
残り140ヤード、パーオンのお座敷がかかっている。
風を考慮し、7番か、それとも8番アイアンで打つか迷うところだ。

「キャディさん、7番と8番、お願いします」
こう声を掛けると、キャディさんは走ってその2本を持って来てくれた。

「鮎風さま、さあどうぞ」
キャディさんは、右と左の手に7番アイアンと8番アイアンをそれぞれ持って、目の前に差し出してくれた。

「うーん、ちょっと上げてるので、7番にしよう」
そう言って、キャディさんの手から7番アイアンを抜き取ろうとした。
しかし、しかしだ・・・抜き取れないのだ。
キャディさんが7番アイアンをしっかり握り締めている。

ならば左手に握られた8番アイアンは? 
それに手を掛け引っ張ると・・・スコンと抜けた。

「鮎風さま・・・無心に、どうぞ」
キャディさんはそう助言してくれて、さっさと7番アイアンを持って走り去って行ってしまった。

キャディさんの手から簡単に抜き取ることができた8番アイアン。
「無心に」と囁かれ、それで力入れずに打ったら、グリーン手前から転がり、ナイスオンだった。

名門ゴルフ場、キャディさん・・・お見事だ。

ゴルフ教訓
「キャディさん、素直に従えば守護神、されど逆らえば、魔女となる」