ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー?
(10) アメリカ人的ゴルフ
アメリカ人と何回かラウンドしたことがある。
彼らは、下半身はさほど強くはないが、上半身はムキムキだ。
それでぐ~んとスウィングするものだから、信じられないほど飛ぶ。
およそ日本人と2~3クラブは違うだろう。
その飛距離を見ていると、やはりゴルフは肉食系民族のスポーツだと思えてくる。
どうも雑食系もしくは草食系の日本人の一般市民に合ったスポーツではないようだ。
アメリカの温厚なシチズン、普段は優しい人たちだ。
しかし、ゴルフでは一変。
カッとなると、猛獣のごとく荒々しくなる。
例えば、バンカーから出ない。
コロコロとまたバンカーにボールが戻ってくる。
また、ティーショット、ぎゅーんと右に飛んで、どかへ消えて行ってしまった。
そして、パター、ボールがピンをかすめ、僅かに外れる。
こんな事態になった時、突如・・・オー、シットと叫び、
クラブをボキッ!
力強くクラブを折ってしまう姿を何回も見たことがある。
米国人はきっとプライドが許さないのだろう。
長年ゴルフを楽しんできたが、日本人で自分のプレーにカッとなり、クラブを折ってしまう、そんなプレーヤーを見たことがない。
多分もったいないから折れないのだろう。
その分、心が晴れず、ウジウジとした気持ちでプレーが続いて行く。
ガーンと飛ばし、ムカッと来た時は・・・クラブをボキッと折る。
そんなアメリカ的ゴルフを一度やってみたいものだ。
ゴルフ教訓
「ムカッと来た時、アメリカ人はクラブをボキッ、日本人は心がボキッ!」
作品名:ゴルフは喜劇か悲劇、それともミステリー? 作家名:鮎風 遊