~双晶麗月~ 【その2】
………ってこれ! 味噌汁のつゆ?
私はあまりにもリアルな味に、驚いて目を開けた。
するとそこには信じられない光景が……。
「おはよう咲夜。味噌汁のお味はどうですか?」
そう言ったのは、私のすぐ目の前…鼻と鼻が触れるほどの距離の……
……オトコ〜〜〜〜ッ!
「なっ……!…げほっ!げほっ!げほっ!…ごほっ!…ぐふっ!」
私は思わず味噌汁を噴出してしまった。
ミシェルは近づけていた顔を素早く離した。
「大丈夫ですか?」
ベッドの横に立つミシェルは、平然と真顔で言う。
「ばっ!ばかやろう!ミシェ!何してんだよっ!…げほっ」
「何って……僕の世界では皆こうして起こしますが?」
「ハァ!?ありえねぇだろ!!絶対ねぇよ!冗談にしてはキツすぎだよっ!」
私はミシェルの唇をまじまじと見つめる。
だがミシェルは真剣な顔をしている。
「信じませんか。無理もないですね」
ミシェルは残念そうに言う。
「おい…まじかよ……」
私はそのまま信じた方がいいのか一瞬考えた。
「さぁ、起きて!起きて!朝ですよ〜!遅刻しますよ〜!」
ミシェルはごまかすように言って、味噌汁の入っていたお椀を持ち立ち上がった。
作品名:~双晶麗月~ 【その2】 作家名:野琴 海生奈