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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その2】

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 トントントントントン……リズミカルな音。これはキッチンから?
 何か切ってるのかな…
 あぁ〜…いい匂い〜…これは…お味噌汁の匂いだ〜。
 そうか、さっきはネギを切ってたのかな、あぁ早く食べたいなぁ…
 
 目覚ましが鳴ってもいつも起きられない私は、寝ぼけていて夢の中なのかどうかまだわからない。

「お味噌汁…食べた…い……」
 今すぐ食べたいと思った。
 すると、返事が返ってきた。
「い…ですよ。ちょっ…待って下さ…ね」
 途切れ途切れに聞こえる。

 ベッドで横向きに寝ていた私は、その声をヘンにも思わず、ごろんと寝返りを打ち大の字になる。そして、再び夢の中へ…

 トントントントントン……今度は誰かが階段を上る音?誰だろう?
 ガチャリと部屋のドアが開く音が聞こえる。
「咲…、味見…てみます…?」
 さっきより味噌汁の匂いがする…いい匂い……
 私は咄嗟に返事する。
「食べ…た…い……」

 しばらくして、くちびるに柔らかい感触。そこから注ぎ込まれる温かいもの……
 私はそのままごくりと飲んだ。
 いい味…