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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その2】

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 しばらくの間、私はさっきの出来事を思い出していた。
【深い海の中、岩の隙間の白い腕……あれは誰なんだろう……フィアンセを探しているって言ってた。そのフィアンセは彼女の分身体を探している……?私の腕を見せてって……もしかして痣のこと?そういえば確かあそこへ行く前、腕の痣の所が凄く痛くなって……私、意識を失った?】

【そうですよ。その意識を失う前のことも、思い出してみて下さい】
 突然頭の中にミシェルの声が響き、驚いた私はすぐにベッドから飛び上がった。
 
【意識を失う前、腕が痛くなりましたね?その前は、何をしていましたか?】
「え〜っと…月のない空を見てたけど…」
 私はブツブツ言いながら、声の発信源を探した。
 ミシェルの姿は見当たらない。

【新月ではまだダメなんです…月が満ちるまで…次の満月まで待たなければ…】
 どこから声が聞こえているのか探っている間に、ガチャリと部屋のドアが開いた。
「ミシェ…!」
 部屋に入ってきたミシェルは、緊迫した表情をしていた。


【驚きましたか?以前にも何度かこうして会話をしたこと、覚えていませんか?】
 部屋に入ってきたミシェルは、自らの声を私の脳裏に響かせ、持っていたグラスを私に渡した。
「!…いつ?」
「1つは、[フェンリル一族]のものが来た時です」
 通常のようにミシェルの口から発っせられた言葉に、私はしばらく考え、グラスに入れられた冷たい水をゴクリと飲んだ。

「あ!…[ニズ]!」
 そうだ……あの時『ニズと呼んで』と言った言葉は、脳内に響いていた。
 そして、私を追いかけてきていたものはやっぱり……[フェンリル]の一族……!