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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その2】

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「ミシェ!」
「ん?なんですか?」
 キッチンで後片付けをしているミシェルの手を取り、私の右腕にその手を当てた。
 ……が、私の腕は何も変化なし。
 ミシェルの手で私の右腕をさすってみた。……さらに激しくさすってみた。
 それでも変化なし………

「ははは。痛いですよ。どうしたんですか?」
 平然としているミシェルに腹が立った。
「…なんでもないよ!」
 ミシェルの手を振り落とし、また部屋へと続く階段を駆け上がった。
 そして、再びベッドの上で、延々と解けない謎を考えていた。

 なぜミシェルが触れても羽根が出てこない?あの羽根はどういう意味があるんだ。
 『中にあるあなた』ってなんなんだ。
 『いずれ来るであろうもの』って、なんなんだ…!

 ミシェルはきっと私が探っているのを気付いている…なのに何も言わない。
 それどころかあえて話を避けているようにも感じる。
 でも遠まわしで私に何かを伝えようとしている気もする。
 いったい何を考えているんだ……


 そうして私はベッドの上で、天窓から覗く夜空を眺めていた。
 今宵は新月。月の見えない空は暗くて、いつもより遠く感じた。そのまま何かに吸い込まれるような、そんな真っ暗な夜空。
 私は一瞬めまいがして、目を閉じた。そして徐々に意識が遠くなるのを感じた。


「…痛っ!」
 突然右肩の痣に激しい痛みが走る。私は必死に右肩を押さえたが、治まらない。あまりの痛みに私はベッドにうずくまった。

「うぅ〜ッ…なんなんだよまた……。治まれ!治まれ!治まれ!治まれ……!」
 私は痛みに意識を集中し、効くかどうかもわからない言葉を、繰り返し念じ続けてみる。だが当然私の念も届かず、その激しい痛みに耐えられないまま私は意識を失ってしまった。