小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

~双晶麗月~ 【その2】

INDEX|18ページ/28ページ|

次のページ前のページ
 


 教室に着いてすぐ、私は自分の席に座りその本をパラパラとめくる。しばらくして、本の中盤辺りにそれらしきことが書いてあるのを見つけた。
[フェンリルは、神ロキと女巨人アングルボザの子。3匹の魔物のうちの1匹である]

 魔物……か。やっぱり。雰囲気はそんなカンジだったな。
 フェンリルの末裔ってことは、フェンリルの子供であるハティとマーニ?それともその子供とか?それら一族がいるってこと本には書いてないんだけど……

 それとミシェルのあの姿……
 黒い翼と長い身体と氷の粒、『[ニズ]と呼んで』と言っていたくらいだし、それに名前も[ミシェル・ニズ・フォルスト]っていうくらいだからね……。
 まぁ本に書いてあることが正しいとすれば、ニズホッグは氷の国ニヴルヘイムにいるはずだから、そのものではないとしても……きっとどこか繋がっているんだろう。

 [フィルは死者の国ナーストレンドへ帰った]と、ミシェルは言っていた。
 本には書かれていない何かがあるような気がする…… 

 私は延々とまた考え込んでいた。


「おい!いいもん載ってたか?」
 雄吾が図書館から戻り、私の肩をポンと叩いた。
 私は驚いて本を落としてしまった。

「ん?ニズホッグ?なんか気味悪いやつだな」
 落ちた本が開いたページは、偶然にも大きく口を開けたニズホッグの絵が書かれていた。
「気味悪い?…でもね、これ、月明かりを浴びるとダークグリーンに光って綺麗なんだ」
「ふぅ〜ん」

 私は落とした本を拾いながら、そんなことが本に載っていたわけではないのに、なぜかそう言っていた。