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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その2】

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「[僕の代わりに]咲夜を学校までよろしくお願いしますね」
 私は思わず、そう言ったミシェルの顔を睨んだ。

【[僕の代わりに]って……絶対本気で言ってないだろ】
 私は心の中で呟いた。すると、それに気付いたかのように、ミシェルはチラリと私を見て含み笑いをした。

「もちろんでっす![お兄さんの代わり]でなくてもボクが責任持って送迎致します!」
 威勢よく言う雄吾に、再びミシェルは思ってもいないであろう言葉を言った。

「頼むね」


 それから雄吾と二人で学校へと向かい、ゆるい坂道を公道まで下りた時、私はなんとなく後ろを振り返った。緩い坂道を見上げると、道路まで出ていたミシェルが見えた。
 まさか、ずっとこっちを見ていた…?


 あれは…ミシェルはもしかして、わざと雄吾の姉さんに後をつけさせたのか?
 ミシェルは雄吾を知っていたような口ぶりだった。
 まさか、自分が近くにいるということを、私に知らせるため?
 それとも何か別の意図があって……?
 あの[狼のような犬]とか[聴力]とか…何か関係あるんだろうか……

 私は態度のおかしかったミシェルを不審に思い、学校で色々調べてみることにした。