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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その2】

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 それを見ていた雄吾は痺れを切らしたように、頭を掻きむしる。
「あぁぁ〜〜〜っ!!もう?何語でもいいんだよ!オレは[何でもできるお兄さん]に、英語でもギターでも、何でも教えてもらうんだよッ!」
「ふぅ〜ん。そうなんだ〜」
 私はくすくす笑いながら、白々しく納得したフリをした。

 するとミシェルが言った。
「そうですね。そのうち[色々なこと]教えて差し上げますよ」
「『色々なこと』?…なんだ?『色々なこと』って」
 私はそのミシェルの含みのある言い方が少し気になった。

「おぉ!『色々なこと』!やっぱ音楽事務所出入りしてるだけありますねぇ!」
「バッ!バカ!何言い出すんだよ!ミシェがそんなとこに出入りしてるわけないだろ!」
 私は慌てて雄吾の口を遮った。

《バカヤロ!あとつけたって言ってるようなもんだろっ!》
《あ!そっか!やべぇ!やべぇ!》
《大体音楽事務所なんて全然関係ねぇしッ!》
《ハハッ!いいんだよ一応ホメとけばさッ》
《それ褒め言葉なのかよッ!意味わかんねぇって!》

 私と雄吾がコソコソ話していても、ミシェルは顔色一つ変えなかった。…というより、むしろ少し冷ややかな目線をしたように見えたが……