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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その2】

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「いってらっしゃ〜い!」
 エプロンを付けたミシェルが玄関の外まで出てきて手を振る。
 驚いた私はミシェルの元まで駆け寄り、小声で言った。

《あのさ!出てこなくていいから!》
《いいじゃないですか。皆こういうのやってるでしょ?》
 なぜかミシェルも小声になる。

《そういう意味じゃなくて〜!私一人暮らしのはずなのに、オトコが家の中から出てきたらオカシイだろ!!しかもエプロン付けてるしッ!》
 そう言って私はミシェルのエプロンをぐいっと引っ張る。
 だが、ミシェルもそれを取られまいとエプロンを押さえる。

《気に入ってるんですから外しませんよ?》
《外さないなら中に入れ!》

 そんなやり取りをしてる矢先に、道路から声がした。
「よぅ!」

《ほら!来ちゃったじゃん!》
 全身から汗が出るようだった。

 声のする方を見た私は、再び冷や汗が。
 声の主はクラスメイトの雄吾だった。いきなり見つかったのが雄吾だったことに、私は相当落ち込んだ。アイツは絶対詮索してくるに違いない。
 雄吾は[兄貴]を見てどんな顔をするのか。

 不安になった私は、慌ててミシェルを玄関に押し込もうとしたが、ミシェルは動じない。

《ちょっと!何やってんだよ!中に入れって!》
《何言ってんですか。ご挨拶しないとね》
《バカ!挨拶なんてしなくていいんだよッ!》 

 慌てる私をよそに、ミシェルは強引に雄吾の方に歩み寄っていった。

 私はさらに[ミシェルと出会ってしまったこと]自体を後悔した……。