俺とみこの日常 10話
鳥もも肉に…お?あの子は確か、隣に引っ越してきた…、えーっと…、美菜子ちゃん、だっけ?
昼ごはんの買い物かな?…いや待て、引っ越しそばがあるだろうから…。晩飯?
…まあ、どっちでもいいけど。
あれ?みこはどこに行った?さっきまでそばにいた…。
あ、見つけた。
…なんか、一生懸命に鮮魚の値札見てる。
何してんだろう?ってか、こんな中学一年…じゃない、もう二年か。中二女子いるのかな…?
みこから、目を離し、前を見る。
ん?
何かに気がつく。
美菜子ちゃんも一生懸命に何か見てる。…なんだろう、あんなにまっすぐ何を…。
…視線の先にはみこ。ちなみにみこは気付いてない様子。…あ、気付いた。
目があう二人。が、それも一瞬。
美菜子ちゃんの方が目をそらす。
…恥ずかしがってるのかな?顔赤いし。
みこは、そんな美菜子ちゃんに近づくと、
「こんにちは!」
挨拶をしている。…元気いいなぁ。相変わらず。
「あ、は、はい、こんにちは」
「美菜子ちゃん、だっけ?これからよろしくね!」
「はい、こちらこそ」
「あれ?一人?」
唐突に話題を変えた。まあ、俺も気になってたけど。
「あ、はい。ちょっとした生活用品と、晩御飯とかの食材を買いに。……みこ…ちゃんは?」
あ、ちょっと考えた。
まあ、みこは背低い方だけど。現に美菜子ちゃんより低いし、子供っぽいし。
「そーくんとご飯の買い物…」
キョロキョロとあたりを見渡すみこ。もしかして俺を捜してる?
慌てて、みこと美菜子ちゃんから目を離す。
「あ、いた。おーい」
こっちを見て笑顔で手を振るみこ。俺も、にこやかにみこの方を見る。
そして、みこと美菜子ちゃんのいる方へ向かう。
…しかし何だな。初対面の人にちゃん付けで呼ばれても何も言わないとは。…慣れてんのかな?
作品名:俺とみこの日常 10話 作家名:ざぶ