俺とみこの日常 10話
視点変更(まり→蒼大)
「やった、ようやく終わった!!!」
朝から初めて、今…六時か。ようやく終わった。
ふう、特にこの数学!春休みの宿題のくせに裏表10ページとか、多すぎだろ。
ちなみに一番少なかったのは理科。半ぴらの表のみ3ページ。
♪~
ん?誰だろ?
みこかな?そう思いながら玄関まで移動する。
ガチャ
玄関先にはまりちゃんと、美菜子ちゃんにおんぶされたみこが。
「みこさん、連れて帰りました」
赤ちゃんを抱っこする時みたいな感じで、みこを受け取る。…泣き疲れて寝てしまったみたいだ。何をしていたんだろう?
「ごめん、重かったろ?」
「いいえ、全然。問題なしですよ」
「電話くれれば行ったのに…」
「蒼大さんの電話番号知りません」「そっか、その手がありましたね。忘れてました」
ちなみに、まりちゃんとは以前メアド交換している。
「あ、それもそっか」
「赤外線、お願いします」
「あ、おう」
携帯の赤外線の位置を合わせて…。
ピロン!
よし。
んじゃ今度はこっちが受信…。
ピロン!
よし。
「あ、それでは。お邪魔しました」
「お邪魔しました」
「ちょっと待って、お礼!」
何かあったかなー、そう、探そうとすると。
「あ、いえ、別にいいですよ」
「そういうわけにもいかないだろ?みこを連れて帰ってもらって…しかも、おんぶで」
「もう貰いましたから」
「?」
「?」
まりちゃんも不思議そうにしている。
「気にしないで下さい、それでは」
ちょ、何の事?そう聞く前に、美菜子ちゃんは帰ってしまった。
「なんだったんでしょうね、今の?」
多分、『お礼』の件だろう。分かりようがない。
「さあ…」
「ですよね…。おっかしいなぁ…。帰る時何もしてなかったはずなのに…」
何もしてない、どういう事だろう?
「変な事するような子には見えなかったけど…」
「あ、知らなかったんですか?」
意外そうな顔をするまりちゃん。
「何の事?」
「美菜子ちゃん、みこに一目ぼれしちゃって」
…ワァオ。みこはモテモテだなぁ。女の子に。
「そういう事があるから私がついてきたんですけど、変な事は…あ!」
っと、びっくりした。まりちゃんがいきなり大声出すんだもん。
「そうか、そういう事か!やられた!そこは見てなかった!」
うん、全然分かんない。何がやられたんだろう。
「何がやられたの?」
「美菜子ちゃん、みこをおんぶしてたでしょ?」
そうだね、してたね。…あ!
「気付きました?」
「おう、こういう事だろ?」
そういって、俺はすかさずみこをおんぶ。
…背中に何の感触もない。あの『むにゅっ』が無い。漫画とかラノベとかでよくある『むにゅっ』が無い。が、ロリコン、貧乳好きの俺からすれば問題ない。十分こうふ…じゃないじゃない!
危なかった、つい思春期モードに入ってしまうところだった。
説明しよう!思春期モードとは、思春期の男子にありがちな、ちょっとHな妄想に入ってしまうモードの事である!!もし入ってしまった場合、どう股間の盛り上がりを隠すかどうかが問題となる!!
…特に家にはみこがいるからな…。思春期モード、入りやすいんだよなぁ。…ま、今のところばれてないようだからいいけど。
っと、こんな話どうでもいい!それよりも…。
「こういう事だろ?」
おんぶ。それをするためには、『何かしら』で、対象を支える必要がある。
ちっちゃいこをおんぶするお母さんとかは、ひも(…あれ?あれの名前なんだろ?)で支えていたりする。
が、そのひもは小さい子用。(もしかしたら大人用もあるかも)それに、今回はそういうひもは無かった。という事は、支えるのは必然的に自分の手&腕となる。…ここまで言えば分かるだろ?みこのお尻が。ちっちゃくて可愛らしいこのお尻が被害にあった。
すりすり。
ああ、この感触。Gパン越しなのが悔やまれるなぁ。…前にみこと入れ替わった時、もっと触っとくべきだった。あの時、とてつもない罪悪感に見舞われ、『おっぱい』を10タッチ&5すりすり、『自主規制!!』を1タッチ&1すりすりしかできてない。
みこが起きてないから抵抗が無い。だから、いつまでもすりすり出来る。
…罪悪感に見舞われなければ。
「蒼大さん、こっち」
どうしたんだろう?今ちょうどものすごい罪悪感が生まれたんだけど。
…見てみると、ケータイのカメラかなんかで、動画を撮られていた。…けど、別にいいや。俺は罪悪感に勝てない。みこに言おう。そして怒られよう。そうしないと気が済まない。
「…あれ?怒らないんですか?一部始終ばっちり映ってますけど」
「……あ、うん。みこが起きたら告白する気でいるから…お尻触った事」
「え?」
「今、ものすごい罪悪感に見舞われててね、後でみこに言わないと気が済まない」
「…んじゃ、証拠としてコレ、提出しても?」
「いいよ」
「…折角『脅迫ネタつかんだ!』って思ったのに」
「何をする気でいたの?」
「えへへ…実はですね。宿題、終わって無いんですよ。だから手伝ってもらおっかな~って」
あ、なんだ。そんな事か。ちょっと身構えて損した。
「今の顔可愛い…」
「えっ!?」
いきなりの発言に驚くまりちゃん。そして、その1秒後位に、顔がほんの少し赤くなる。…可愛いよなぁ。
「あ。思った事とセリフが逆だった」
「そ、そうだったんですか。びっくりした~」
こっちもびっくりした。逆になっちゃうなんて。
「みこは色々可愛いし、優美ちゃんは行動や言動とか可愛らしいし、まりちゃんはたまに見せる今さっきみたいな顔が可愛かったり。…あ」
「そこまで言ってようやく気付きましたか?全く。『いきなり何を言い出すんだこの人』って思いましたよ」
「…ごめん」
「気にしないで下さい。ばっちり撮れてます」
「あ、止めてなかったんだ」
「はい。撮り続けてます。…あ、メモリが。仕方ない。ここまでか」
ピロン♪
「保存長いな~。…蒼大さん、いつまでみこをおんぶしてるんですか?」
それもそうだな。ずっとおんぶしたまんまだった。
「よいしょっと」
その辺にみこをおろす。ちなみに、ガチャのあたりから今まで、ずっと玄関で話している。部屋移動はしてない。
「今更だけど、中上がる?」
「あ、別にいいです。もう帰るんで。宿題もあるし」
「手伝おうか?宿題」
「え、いいんですか!?」
「いいよ、別に」
中学生の内容ならすぐ終わるだろ。
「じゃ…お願いします」
「はいはい」
バタン
そういうと、まりちゃんは玄関のドアを閉め外に出た。まりちゃんは一旦、宿題を取りに帰った。ちなみに宿題はウチでやる。そっちの方が何かと都合がいいらしい。
作品名:俺とみこの日常 10話 作家名:ざぶ