ちーくんと幼馴染
「お前はやれる」と何回も自分に言い聞かせ、ベットの上で布団を被り丸まっている物体を見てそれで・・・・・・布団をはぎとった。
「きゃっ!」
「”きゃっ!”じゃねーよ。このサボり魔」
「ちーくん!」
かわいらしいパジャマに身を包んだ幼馴染はくりっとした目を驚愕に染めてこちらを見てからしばらく、なぜ俺がここにいるか検討がついたのかふいっと顔を背けた。
「が、学校なら行かないんだから!!パパとママが嘘をつくのやめるまで行かないんだから!!」
嘘じゃなくて100%の現実だバカ野郎。
と、いつもの俺なら罵声をとばしている所だ。間違いなく。
ただ、それでは意味がない。
今日の俺は重大な計画を抱えているのだから。
「バカだな。だからお前はバカなんだ」
わざと大げさに肩を落としてため息を吐く。
「?」
よし!対象は興味をもった。
そして、ここからが大変だったりもする。
「お前がいつまでもそうだから”計画”も一向に進まず”奴ら”に遅れをとるんだ」
「計画・・・?ね、ねえ、ちーくん。奴らって誰?」
「そんなことまでわかってなかったのか!!作戦に反抗したいがための抵抗だと思っていたがそこまで無知だったとは・・・がっかりだ。がっかりだせ。俺はお前を過大評価していた自分が恥ずかしいぜ」
今現在の俺の方がよっぽど恥ずかしい。
「ちーくん・・・」
「今まではまだ未熟者だとお前を甘やかしてきたがもう時間がない黙示録は始まっているんだから」
あ、ここはアポカリプスって読むよ・・・とか、どーでもいいよマジで。
あと幼馴染よ、ちょっと目ぇきらきらさすな、まじで。その方が都合がいいけどやめろ。お願いします。
そんな事を思いながら壁にかけられているまだビニールがかかったままの綺麗な学ランをつかんで幼馴染のほうに投げつける。
「指令だ、エージェント・I・・・レディ.イリージョン。お前に教育機関を根城とする機関の工作員の監視員に任命する」
俺は今、猛烈に死んでしまいたい。