ちーくんと幼馴染
幼馴染がひきこもってしばらく。
俺の生活は完全に幼馴染のせいでめちゃくちゃになっていた。
華々しく中学デビューをする為、髪を明るい茶に染め(普通そこは金髪じゃね?って?バカ。不良に目をつけられたらどうする)、期待を胸に今度はピアッサーを手にどきどきとしながらそっと左耳にあてたその時……。
「ちーくーんッ!!」
ガショッという音が決めていた位置とは違う場所で聞えた。
ピアスを開けようとしていた→というか開ける直前→急に抱きつかれる(背後から)→反射的にピアッサーを押す→ズレた位置のまま→いまここ。
「いッ!!」
当然痛い。それはもう。痛かった。
当初決めていた位置よりも下。耳たぶの端。
下手したら何か千切れた感じになるんじゃねぇのこれてきな位置に穴が開いた。
いや、これもう穴じゃねぇ。もう傷だ、傷。
「痛いな!何すんだよ、お前は!」
「大変なの!ママたちがおかしいんだよぉ!」
あいかわらず可愛らしいワンピースに身を包んだ幼馴染は泣きじゃくりながら訴えた。
「はあ?おじさんとおばさんは年中おかしいだろ」
お前にそんな恰好させてる時点で。
「だってだってだってー!本当におかしいんだもん!だって私が"男の子"だって言うんだよッ」
訂正。うん。おじさんとおばさんがおかしいのではない。
「おかしいのはお前だ」
数分後。幼馴染の両親が幼馴染の説得に登場。
幼馴染、これを拒否。
その結果、俺が両親から幼馴染の説得に勝手に任命されいまに至る…が。
それから数日後。俺は更なる受難を背負うことなる。