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理科室の吸血鬼

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言われたとおりあたしは亜紀と席を変わった。
なんとか先生にバレなかったが、私は和也と同じ班だった。
和也は暇さえあればあたしにちょっかいを出しに来る。
「お前さぁ、黒崎と仲良いよな」

「はぃい?!」
いきなりのその言葉にあたしは目を見開いた、そのまま和也の方に顔を向けると和也はニヤニヤしながら「顔、赤いぜー」と言う。

「あんた最悪!!!」
イラッときたあたしは和也の頭にチョップをくらわした。

「はい、じゃあ各班で実験の準備をしてください」
いつの間に話が進んでいたらしく先生は皆に指示をだす。

「あ、じゃあ真輝ちゃんは顕微鏡取ってきてくれる?」

「分かった。」
同じ班の女子にそう言われあたしは立ち上がり和也を見て頭を抑えて痛がる彼を
鼻で笑う。

「いってぇー、この怪力女!」

「ハッ、ざまーみろ!」
そう吐き捨ててあたしは理科室の準備室に入った。

中に入ると、もうみんな顕微鏡を取っているらしく誰もいなかった。
「誰もいないや」
そう言ってあたしは棚の一番端に残っている顕微鏡を手に取る。

すると何処からか、クスクスと笑い声が聞こえた。
怖くなって慌て振り返ると、実験道具が置いてあるテーブルに男の子が座っていた。

「…うわぁ」
私はその青年に目を奪われた。
日本人とは思えない真っ白な髪に白い肌、整った顔には二つの赤い瞳。
そんな青年があたしを見て笑っている。

「な、なに…」

「いや、その前に行かなくていいのか。」

「あっ」

青年の言葉にハッとして急いで準備室から出た。
今の青年は誰だったんだろう。
(授業中なんだけど…サボってんのかな?でも入った時には居なかったよね?)

なんか嫌な予感がする…。

作品名:理科室の吸血鬼 作家名:麗潤