理科室の吸血鬼
あたしは準備室を掃除することになった。
薬臭い、しかもほこりだらけ、これは相当がんばらなくてはいけない。
「はあ…、一番面倒なとこ選んじゃった。」
我ながら後悔した…。
「仕方無い、頑張るか…!」
やる気を出してほうきで隅っこをはわこうとしたら、
「どぇえええ!!?」
「やあ、」
あたしはびっくりしてしりもちをついた。
「ふん、変な声」
そこには、理科の時間に見た青年だった。
(いやだって…、いきなり現れるからっ!!!えっ…てか、今上から…)
その青年をもう一度見ると天井からぶら下がっていた。
(…一体どうやって)
下から見ても足下が見えないため、どうやってぶら下がっているか分からない。
すると青年は無駄の無い動きで下りた。
「大丈夫か?」
ニコニコと笑いながら手を差し出さす。
あたしは苦笑いしながらもその白い手を握る。
そして青年はあたしの目をただじっと見ながら、握っていた手を
あたしの手首に移す。
「あ、あの…」
え、起き上がらせてくれるんだったら早くしてくれない?