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ユメノウツツ

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「そこは楽観的にいこう。俺達は良くやったよ。」
「そうですね。帰還できれば俺たちエースだったんですけどね。」
「バイクメン、お前の人生って何だったと思う?」
「人間できてよかったですよ。我夢っていう親友がいたんです。もうデジタルコンバートしてるんですけどね。」
「それはよかったな。」
 原口機はなおも分解しながら墜ちていった。


 航空自衛隊のF5戦闘機部隊は善戦したがいかんせん敵の数が多すぎた。各所で戦線が崩壊した。連邦軍のJ50戦闘機が九州本土に殺到した。自衛隊各基地では対空部隊がスタンバイしたが、J50戦闘機の群れは自衛隊基地には目もくれず、九州各県のサーバに空爆を実行、デジタル世界に避難していた九州各県のデジタル人格数百万人が消去されてしまった。


西日本のサーバのデジタル人間は東日本、海外のサーバへの疎開を始めた。
東アジア連邦軍は散発的に非核弾道ミサイル攻撃を繰り返していた。SM11とPAC5を撃ち尽くした自衛隊にはもう効果的に防ぐ術は無かった。

作品名:ユメノウツツ 作家名:中田しん