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ユメノウツツ

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国連では安全保障理事会の緊急会合が開催された。
東アジア連邦はこの戦いは第二次大戦での日本の中国への侵略行為と朝鮮半島の併合への報復であり、そのためには数万人規模の一般日本人の虐殺も正当化されると主張した。
日本はこれこそが侵略であるとして東アジア連邦と真っ向から対立。
東アジア連邦と経済的従属関係にあるアフリカ諸国は東アジア連邦を支持。
アメリカは開戦前の国境線へ連邦軍が撤退しなければ日米安全保障条約に則り戦略攻撃を敢行すると主張した。
東アジア連邦と対立するインドは日本とアメリカを支持。ECは即時停戦を主張。
結局理事会は決裂。東アジア連邦の圧力によって議長声明は出されなかった。
その当時、軍事技術的にはまだ世界一の分野が多かったアメリカ軍は即時に非核攻撃ミサイルCSMによって東アジア連邦の第二砲兵隊戦略基地を攻撃した。宇宙から金属弾頭の豪雨を降らせるはずだったが連邦軍の運動エネルギー迎撃システムにより無力化されてしまった。
東アジア連邦は報復措置として、宇宙空間に展開するアメリカ空軍の人工衛星を大規模攻撃した。それにはこの時代も民間利用が盛んだったスーパーGPSの衛星も含まれていた。世界中のカーナビやケータイが位置情報を入手できなくなり、各地でパニックが発生した。また、衛星システムに依存していたアメリカ軍の戦力は実質的に半減以下になってしまった。地球の衛星軌道には膨大な数のデブリが散乱した。東アジア連邦側は人工衛星測地システム超北斗の運用をしていたので、影響は少なかった。
連邦軍は引き続き日本本土への着上陸準備を進めており、釜山軍港には数十隻の揚陸艦がスタンバイしつつあった。東アジア連邦軍は日本本土への侵攻作戦に「正義の光作戦」と名前を付けていた。
一方の自衛隊はまず敵は空からやってくると読んで全国からかき集めた数百機のUAV(無人機)をネットワーク化して九州沿岸に飛ばし、カウンターステルス戦術を取った。
日本国の内閣は事ここに至ってようやく、防衛出動を命令した。
作品名:ユメノウツツ 作家名:中田しん