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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その1】

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「これで少しは楽になるはずです」

 恐る恐る向けた目の先には、眩しい白い光。その中に白い羽根が一つ、二つ、三つ……
次々に舞い上がる。右肩の痣が電気を通したかのようにビリビリとする。

「……いっ…痛っ!」
 ビリビリが限界に来て、右腕全体に激しい痛みを感じ、思わず私は目を閉じた。次の瞬間、私の右腕から急に痛みが消え、ふわりと軽くなった。

「えっ?」
 驚いてすぐに目を開けると、私の右腕は眩しい光に包まれ、真っ白な羽根の翼になっていた。

「ちょっ!ちょっと!どういうことだよ!」
「これで[中にあるあなた]は楽になったはずです」
「何言ってんだよ!どうにかしろよ!」

 ミシェルが手を離すと一瞬にして眩しい光が消え、元の腕に戻った。
 私は痛みも何もなくなった右腕をだらりと下に垂らし、地面に座りこけてしまった。

「大丈夫ですか?」
 ミシェルは動けない私を見下ろし、優しく手を差し伸べた。

「だっ……大丈夫に決まってんだろ!」
 我に返った私は、ミシェルの手を振り払い、慌てて立ち上がる。

 するとミシェルはため息をつき、以前のような冷たい口調で言った。
「これからしばらくお供させて頂きますので」
 ちらりとこちらを見た目は冷たいブルーの瞳。

 やっぱり[あの時]のミシェルだ。フィルを片腕で殺した男!!