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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その1】

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 それでも私は負けじと言葉を続けた。
「何言ってんのあんたさ?!お供ってなんのだよ!?私はね!決めたんだよ!フィルがいなくても一人で強く生きていくって!あんたがそばにいても迷惑なんだよ!」

 ミシェルはしばらく黙り込んだ。

 そして再び口を開く。
「[開放されるまで]……です。それまでですから」
「なんだよそれ!わけのわからんことを……!」

 ミシェルは少し笑みを浮かべ、さらに言葉を続ける。
「大丈夫ですよ、僕はフツーですから」
「フツーってなにが!!なんのこと言ってんの!オマエなんて……」

 だがそこで、私は次の言葉を躊躇(ためら)った。

【そういえば……こいつは以前私を護ると言った。だが、私を守護していたフィルをいとも簡単に消した。本当に私を護るつもりなのか……それにこいつは何者なんだ……】

 私はふいにフィルのことを思い出した。

【いや、ダメだ……私は誓ったんだ……一人で強く生きていくと…!!】



 そして私はミシェルを睨み、ハッキリと言った。
「[守護はもう必要ない]と言ってるんだ!帰ってくれ!」
 私は捨てゼリフのつもりでそう言い放ち、そのまま公園を出て家に向かった。

 だが歩いている途中、ほんの少し、ほんの少しだが、言い過ぎたかと私は後悔し始めていた。少なからず、あの恐怖の中で私はどうすることもできなかった。そして、ミシェルはそんな私を助けてくれたのだから……






…【その2】http://novelist.jp/522_p1.htmlへつづく。