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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その1】

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 そして、私は雄吾に探りを入れることに決めた。
「兄貴が音楽事務所ねぇ…。確かこないだはペットショップで働いてるって聞いたけど」
「そうそう、音楽事務所に入ってく時狼みたいな犬連れてたってさ。犬飼ってんのか?」
「狼みたいな犬〜!?飼ってないけど……。ハスキー犬とかだった?」
「いや、ハスキーじゃねぇんだと。もっとデカいらしいぜ?」

 私は益々おかしいと思った。

「それで?その犬どうしたの?」
「知らね。犬の聴覚でも調べたかったんじゃねぇの?あの事務所、音の研究とかしてるらしいし」
「音の研究?で、犬の聴覚?」
「あ、これ俺の想像ね。ハハハ!」
「ふ〜ん…[狼みたいな犬]の[聴覚]を調べに……か」 

 雄吾の想像が、ただの想像だといいが……

 私は『狼のような犬』と聞いて、真っ先にフィルを思い出したのだが、なにか、フィルとは関係のない何かのような気がした。

 そして、その[兄貴]は何者なのか……

 
「あのさ、その[兄貴]って、どういうカンジだった?」
「オレより背が高そうだったって姉貴は言ってたけど」

 私の兄貴は私と同じで背はあまり高くない。180センチある雄吾より大きい兄貴?
 違う。それが兄貴なわけがない。

 私は嫌な予感がした。

「髪型とか、見た目どんなんだったって?」 
「確か、スラッとしてて細身で、髪の毛が軽くうねうねしてて、結構イケメンって言ってたけど?ちょっと日本人離れした顔立ちでよォ、『私のタイプだから絶対忘れない!』とかなんとか姉貴が言ってたぜ、へへっ」

 それを聞いてすぐに思い浮かんだのは、あの冷血残忍男、ミシェルだった。
 私はとてつもない胸騒ぎを感じた。