漢字一文字の旅 二巻 第一章より
十三の三 【絵】
【絵】、元の字は【繪】、左の部は「會」(会)だ。
この「會」はいろいろな食材の入ったごった煮の鍋のことらしい。
そして「糸」偏で、彩り良く色織りすることが【絵】だとか。
うーん、なるほど、元は……ごった煮ね。妙に納得できるから不思議だ。
さてさて江戸時代、ことわざがよく絵にされた。
そのようなものを集めた本がある。
それは【絵で楽しむ江戸のことわざ】、著者:時田昌端
まず「犬も歩けば棒に当たる」、いろはかるたの「い」であり、小さい頃の昭和カルタで、犬が電信棒にぶち当たってる絵見たことがある。
他に
親の脛かじり
蚤の夫婦
馬鹿につける薬はない
人の口に戸立たぬ
……などがあり、面白い。
てなことで、現代版はと探してみると、それがあったのだ。
それは「サラリーマン川柳」。
いい夫婦 今じゃどうでも いい夫婦
電話口 「何様ですか?」と 聞く新人
こんなのに、やくみつる氏の絵(イラスト)が付いている。
http://event.dai-ichi-life.co.jp/company/senryu/26th/best_10.html
【絵】という漢字、ごった煮の鍋に、「糸」偏で彩り良く色織りすること。
江戸時代も現代も、日本人は言葉に絵を添えて色織りするのがどうもお好きなようだ。
作品名:漢字一文字の旅 二巻 第一章より 作家名:鮎風 遊