漢字一文字の旅 二巻 第一章より
十の二 【音】
【音】、「言」と「一」の組み合わせだとか。
その「言」は、偽(いつわ)り欺(あざむ)けば入れ墨の刑罰を受ける。その針を立てた形だそうな。
そして改心を神に誓う。その祈りに神が応えて、夜中に静かな音を立てる。
それが【音】で、神のお告げだとか。
なるほど、神聖なものなのだ。
そんな音、人が聴ける音は周波数20ヘルツ から20キロヘルツ まで。
そして年齢が上がるほど能力が落ちる。
それを逆手に取ったのが「モスキート音」、つまり若者だけに聞こえるキーンという17キロヘルツの不快音だ。
商店にたむろする若者を撃退するため、イギリスで開発された。
日本でもコンビニにたむろする若者を追っ払うためだとか、押し売り撃退で使われている。
ブーンと蚊の羽音、それは誰しも嫌なもの。モスキート音とはうまく名付けたものだ。
しかし、世の中不快音ばかりじゃない。
人が好む心地よい音は何だろうか?
統計によると
1位 川のせせらぎ
2位 小鳥のさえずり
3位 波の音 となる。
確かにこれらの【音】は、神のお告げのようなものなのかも知れない。
作品名:漢字一文字の旅 二巻 第一章より 作家名:鮎風 遊