小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

漢字一文字の旅  二巻  第一章より

INDEX|60ページ/133ページ|

次のページ前のページ
 

八の五  【告】



【告】、小枝に神への祝詞を入れた器をつける形。
これより神へ告げ祈ることを言うとか。

こんな【告】、冬が明け、春を告げてくれるものたちがいる。
春告鳥は鶯(ウグイス)。
春告草は梅の花。

春告魚は鰊(ニシン)、鮴(メバル)、玉筋魚(イカナゴ)、魚偏に春の鰆(サワラ)などいろいろだ。

北海道、蝦夷地のソーラン節
♪ ニシン来たかとカモメに問えばぁ〜 ♪
三月になれば産卵のために北海道の西海岸にやってくる。
アイヌ語で「神魚」(カムイチェップ)、まさに待ちに待った尊い春告魚だ。

そして鮴(メバル)、古来からメバルと呼ばれ、毎年春を告げてきてくれた。
目がグリッと大きく、「眼張」と言われてきた。
淡泊な白身で、塩焼き、唐揚げ、そして煮付けと美味だ。
まさに春へと目覚まさせてくれる。

鰆(サワラ)は一メートルを超える大きな魚。
しかし、西京焼きなど美味い。
春に産卵のために沿岸へ寄るため、春告魚と呼ばれてきた。

このように【告】、いろいろなものたちが待ちに待った春を告げてくれる。
だからありがたく、この世も捨てたものじゃないのだ。