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漢字一文字の旅  二巻  第一章より

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七の五  【瓜】



【瓜】、つるにぶら下がったウリの象形文字だとか。
そう言われれば、そう見えてしまうから不思議だ。

こんな【瓜】、貝塚遺跡から種が発見されている。どうも古くから日本にあったようだ。
だが可笑しな話しが多い。

大きさが八〇センチもある冬瓜(とうがん)、冬の瓜と書くが、夏の野菜だ。
スイカは西瓜、西の瓜って、なぜ?
どうも音からの当て字だとか。

南瓜はなんきん、かぼちゃのことだ。
このかぼちゃ、原産地は南の国のカンボジヤだとか。
だからカンボジヤを三回唱えれば、「かぼちゃ」になってしまうからだ……そうな。

こんな【瓜】、笑える話しばかりかと思いきや、まじめな諺もある。

『瓜田に履を納れず』 (かでんにくつをいれず)
瓜畑で靴を履きなおそうと屈むと、まるで瓜を盗んでいるように見える。そんな疑いがかけられるような行為は慎もう。
こんな教えだ。

とにかく【瓜】という漢字、このように多品種な話題を味わさせてくれる。