漢字一文字の旅 二巻 第一章より
一の一 【再】
【再】は組紐(くみひも)の形だとか。
器具の上下に算木「一」を置き、それを折り返して紐を組んでいくため、「ふたたび」の意味になったそうな。
なるほどと納得してしまう。
この漢字一文字の旅も、心新たに【再】出発とさせてもらった。
少しマンネリになってきた時に、【再】は魔法の漢字で、まったく便利。いわゆる御破算で願いましてはと、勝手に心機一転できるのだ。
さてさて、少し話題を変えて、喜びも『ひとしお』です、という言葉がある。
この『ひとしお』は「一塩」ではない。喜びに「塩」なんか振って、どないすんねんとなる。
これは『一入』と書く。
織物を染める時に、一回染料に浸けることを『一入』というらしい。そして、二回が『再入』(ふたしお)という。
ならば、この『漢字一文字の旅』、
【再】スタートできて、喜びも『再入』(ふたしお)です・・・という心境かな?
作品名:漢字一文字の旅 二巻 第一章より 作家名:鮎風 遊