漢字一文字の旅 二巻 第一章より
十八の一 【音】
【音】は「言」と「一」の組み合わせ。「言」は神に祈る言葉であり、神がそれに反応した時、祝詞が入った器が夜中に微かな音をたてる。
その響きを「一」として、【音】となったとか。
なかなかややこしい話しだ。
また明確な声は「言」であり、不明瞭な声が【音】とも言われてる。
そんな【音】が楽しくなったものが「音楽」、と解釈しがちだが、
この「楽」はむしろ「楽器」であり、要は「音楽」の意味は「楽器の音」のようだ。
それでも……「音楽」
♪ ドはドーナツのド
レはレモンのレ ♪
これはミュージカル・サウンド・オブ・ミュージックの「ドレミのうた」
ドはディアーメスの鹿
レは雫光り輝く太陽の
ミは名前 自分を呼ぶ名前
ファーはずっと遠く
ソーは針と糸
ラはソーの次
ティ(シ)は紅茶のお供にジャムとパン
これは「ドレミのうた」の原詩。ちょっと日本語では歌えない。
これをペギー葉山はすべて食べ物にしようと考えた。だが、ミはミカンのミ、ファはファンタのファとしか思い浮かばない。
これではと方針変更、夢があるように訳した。
♪ ミはみんなのミ ファはファイトのファ
ソは青い空 ラはラッパのラ
シは幸せよ さあ歌いましょう ♪
この「ドレミファ」は、もともとイタリア語が語源で
ド → 土
レ → 日
ミ → 水
ファ→ 風
ソ → 太陽
ラ → 宇宙
シ → 茶 だとか。
いずれにしても【音】は神さまのささやき。
そしてそれは……ドはドーナツのド……から始まってるようだ。
作品名:漢字一文字の旅 二巻 第一章より 作家名:鮎風 遊