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漢字一文字の旅  二巻  第一章より

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十六の二  【火】



【火】、見ての通り燃える火の形だ。

この【火】、二つ重なれば、「炎」(ほのお)となり、
     「  火
三つ重なり  火 火 」(エン、ほのお)、

        「 火火
そして四つ重なり  火火 」(イツ、イチ)となる。
火はどんどん燃え盛り、すべてを焼き尽くしてしまうという恐ろしい字だ。

そして……
♪ 肥後は火の国よ 恋の国 ♪
坂本冬美は「火の国の女」を歌い上げる。

この火の国は肥国(ひのくに)、現在の長崎/佐賀/熊本を含む広い地域だ。
昔、不知火(しらぬひ)に導かれ、天皇が八代県(やつしろのあがた)に上陸した。そのことから、その一帯が「火の国」と名づけられたと『日本書紀』に書かれてある。。

だが現在、火の国と言えば、阿蘇山を中心に熊本をイメージする。
そんな火の国の女は猛婦と呼ばれた時期があり、頑固で情が熱い。
お付き合いはかけひきや遊びではなく、本音本気でなければならないと言われている。

♪ 惚れた女(おなご)を 抱きたけりゃ
  火傷かくごで
  抱かんとね 抱かんとね      ♪

こう歌は続くが、火の国の女、【火】どころではない。
   「 火火
まさに  火火 」レベルなのだ。