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神様ソウル2 -神崎君の恋人-

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 「やーやー。ごきげんよう」
 「!?」
 少女は目を見開いた。
 「わかるんですか、私のこと」
 「まぁね」
 「そっちの彼も?」
 「お、おう」
 「びっくりです。今まで私のこと見える人なんて数えるくらいしかいなかったのに。あ……私藤沢舞と申します。よろしくです」
 僕達も頭を下げて挨拶を返した。
 「もしかしてその制服、東高校の生徒さんですか。どうしてこんなところに?」
 「うちのクラスの神崎彰吾って奴のあとをつけてたなんだけど」
 「彰吾くんのあとを?」
 「霊と接触してるような痕が見えたから。そしたら女の子といちゃいちゃしてて」
 「見てたんですか!?」
 「片時も目を離さずに見てたよ。熱いラブを感じたわ」
 「うー。趣味悪いです……」
 「だって君だけと話がしたかったんだもん。しょーがないでしょ」
 「話、ですか?」
 「君のこれからの話。君のような存在はね、本来この世界にいちゃいけないことになってるの。ちゃんとあっちの世界に戻らないと」
 「あっちの世界?いちゃいけない?なんであなたにそんなこといわれなくちゃならないんですか」
 舞は眉間に皺を寄せて語気を荒げた。
 「この世界の秩序を守らなくてはならないからよ。私はもともとこの世界の住人ではないの」
 「テミス」
 「この子には言っちゃっても問題ないわ。あのね舞ちゃん、幽霊っていうのはこの世界にいてもプラスになることは全くないの。霊魂と人間の関わり合いが原因となって大きな被害が出た例も少なくないわ。あなたみたいなのは直ちにこの世界から去るべきなのよ」
 「でも、私は彰吾君とずっと一緒に」
 「その感情が永遠に続く保障なんてどこにもないでしょ。彼があなたのことを重荷に感じたりする日が来るかもしれない。あなたのその感情の方向や強さによってはこの先人間に危害を与えることもありうる。悪霊ってやつよ。何十年という長い期間で見れば愛や恋なんていう感情は脆くて弱いものなのよ」
 「……そんなこと言われてもわかりません」
 「……また来るね。今言ったこと、覚えておいて」
 「はい……」
 肩を落とした舞を背に、僕らは神社から出た。
 「えらく厳しい物言いだったな」
 「事実は事実。傷つけないように伝えることなんてできません」
 「まーそうだな」
 「さ、次は神崎彰吾と話をしなきゃですよ」