神様ソウル2 -神崎君の恋人-
「ねぇ」
「痛い。シャーペンで刺すな」
「あの人名前なんていうんだっけ」
テミスがシャーペンの先で先ほど登校してきたばかりの不良生徒を差した。
「あぁ、えーと神崎だよ神崎彰吾。あいつがどうかしたのか?」
「んー。どうやら彼、憑かれてるみたいなんですよね……」
「確かにいつも寝てるしな。授業態度も悪いし、先生も頭を抱えてるみたいだ」
「そっちのつかれてるじゃありません。霊に憑かれてるっていったんです私は」
「確かにいつも寝てるしな。授業態度も悪いし、先生も頭を抱」
「まじめに聞いてください」
ドシュッ
「いってーな!シャーペンで刺すなって言ってるだろうが!というかお前よく見たらノート白紙じゃねぇか!シャーペンの使い方知らないのか!」
「里見」
教壇の上の教師が僕を睨みつけた。
「すいません」
「いきなり怒鳴らないでくださいよ。びっくりするじゃないですか」
テミスが声を落として言った。
「すまん、悪かった。でもな、お前はシャーペンの先端がどれだけ鋭いのか知らないんだよ。本当に痛いんだ。以後気をつけてください……。で何の話だったっけ」
「神崎彰吾の話です。霊と接触した痕跡が見えました。」
「痕跡?」
「はい。こう、オーラとでも言えばいいんですかね、そんな雰囲気のものが彼の周りにふわふわーっと」
「へぇ」
「霊という存在も私達の世界の管轄なのです。見過ごすわけにはいかないんですよね」
「ふむ。それでどうするんだ」
「彼の接触している霊を見つけ、私達の世界へ送還しましょう」
「しましょうって……僕もやらなくちゃいけないのか」
「ったりまえですよ。麻倉まゆみの件で貸しがあるでしょ。断ったら頚動脈に私のシャーペンを根元まで深々と突き刺しますよ」
間違いなく死ぬじゃんそれ……。
作品名:神様ソウル2 -神崎君の恋人- 作家名:くろかわ