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神様ソウル2 -神崎君の恋人-

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カチカチカチ……
 耳元のすぐそばで何かが規則正しいリズムを刻んでいる。その音は僕の心の深いところに眠った過去の恐怖を思い起こさせる……。つまりシャーペンのノック音だ。
 「やめろぉーー!!!!」
 反射的に体が動き出す。僕は頭まで被った掛け布団を巻き込むようにして転がり、その場から脱出した。
 「おはようございます、課長」「ヒロトさんおはようございます」
 笑顔で挨拶する二人。案の定、テミスの左手には昨日僕の首筋を二度襲ったシャーペンが握られていて、その先端からは細く鋭く尖った炭素の固まりが突き出していた。
 「……もう少しましな起こし方はなかったのか」
 「さっきまで舞ちゃんががんばって起こしてたんですよ。なのに課長、いつまで経っても起きる気配がないから。追い詰められた私は最後の手段をとる以外になかったんです」
 「最後の手段の登場が早いよ……」
 「まぁこうしてスッキリ目覚めることが出来た訳だしよしとしましょうよ。早く出かける準備して下さい」
 テミスに急かされて僕は服を脱ぎ始めた。舞が慌てて窓の外へ視線を逸らした。
 「なんでそんなに急いでるんだ。まだ8時前じゃないか」
 「あの、学校がない日は彰吾くんが早くに私のところにやって来るんです」
 「変に騒ぎになる前に戻っておきたいんです。神崎にも舞ちゃんの送還について話しておきたいですし」
 「…………」
 「どうしたんですか課長。早く着替えて」
 「いや、舞が僕の腹筋すごい見てくるからまだ上は裸のままでいた方がいいかなって」
 「見てません!!早く着替えて下さい」
 ふざけている場合ではなかったらしい。