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神様ソウル2 -神崎君の恋人-

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 夕食を食べていないことに気づいたので準備をすることにした。ベッドに寝そべったテミスの様子を見ると枕に顔をうずめるようにして眠っていた。まだ十時も回っていないというのに。僕は舞を連れてリビングへ向かった。
 「……カップ麺でいいか」
 テーブルの上に置いてあったカップ麺の包装を剥ぎ、電気ポットのお湯を注いですぐに完成した。
 「ラーメンですか。おいしそうな匂いです」
 テレビの前のソファーに座ってボーっとしていた舞が言った。
 「匂いとかわかるんだな」
 「わかりますよ。口に入れて味わうことができないのが残念なんですけどね。おなかはすかないから困らないけど」
 「テミスならなんとかしてくれそうだけどな」
 「ですね。私自分がこうして森から出る日が来るなんて想像もしていませんでした。ほんとに感謝しています」
 「そうか……」
 「彰吾くんとお別れしなくちゃいけなくなるなんてことも、想像したことありませんでした」
 「…………」
 僕は何も言えなかった。僕がテミスの真意を説明しても彼女の求めることには辿り着かないし、だからと言って舞の味方をしてやる、ということもできそうになかった。
 「あ、そういえばさ」
 「はい?」
 「舞って神崎とどうやって知り合ったの?聞かせてよ、馴れ初め」
 「馴れ初めですか。……実はもともと私の片思いでして」
 舞は表情を緩めて、話し出した。
 僕には何もできない。だからせめて、忘れないようにしたい。二人が恋人同士であったことを、彼氏でも彼女でもない唯の傍観者として、僕が心に留めておく。それって舞のいた証にならないだろうか。そうすることで二人が一緒にいたということが少しだけ確かなものになる気がしたのだ。