「セックスアンドザシックスティーズ」 第七話
映子との待ち合わせ場所の渋谷のハチ公前に三人はやってきた。ゴールデンウィーク最中の東京は意外に混雑していなくてすぐに映子を見つけることが出来た。
「映子さん!ここよ」
「典子さん、恵子さん、美紗子さん」
手を握り合って再会を祝っていた。
「ねえ、みんな元気にしていた?」
映子の言葉に順番に答えて行く。
「一生懸命にダイエットに取り組んでいるわよ。見て!ちょっとスリムになったと思わない?」
典子はそう言っておなかの辺りに手をやった。
「そういえば・・・そう見えるわ。本当に実行していたのね!う~ん、素晴らしい」
「私は相変わらずかな・・・でも外に出る時間は多くなった。まだ誰にも話していないけど近々娘が結婚するの。やっとよ・・・」恵子が言う。
「本当!素敵じゃない、良かったわね。前に会った時にはまだ決まっていなかったの?」映子がそう尋ねた。
「ええ、相手はいたけどはっきりしなかったの。娘は転勤する相手だったから悩んでいたみたい。私のこと心配してくれていたのは嬉しかったけど、自分の幸せを掴みなさいってそう言ったわ」
「へえ~、お母さん思いだったのね娘さんは。そりゃそうでしょうね、ご主人のこと見ているわけだからね。でも良かったじゃない。これからは一人で自由に暮らせばいいのよ。私達が付いているから楽しみましょうよ」
「映子さん、ありがとう。みんなもありがとう・・・そう出来ると嬉しいわ」
「恵子さん、私も一人だから同じ気持ちなのよ。4人でいろんなところへ行きたいわ」美紗子が答えた。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第七話 作家名:てっしゅう