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受付の前に来て名前を名乗った。
「天木弘一といいます。今日はお願いがありまして来ました」
「天木様、どのようなご用件でございますか？」
「はい、久能肇社長とお話したいことがありますので取り次いでいただけませんか？」
「お約束されておられますか？」
「いいえ、初めて来ました」
「そうでしたか・・・では御用の件は申し伝えておきますので、後日お返事差し上げると言うことでご了承願います」
「今日はお留守なのですか？」
「いいえ、社長は来客中でございます。天木様のご連絡先教えて頂ければこちらより都合をお知らせ申し上げます。それとも何かお急ぎの用件がおありなんでしょうか？お聞かせ願えればお取次ぎはさせていただきますが・・・」
「そうでしたか・・・ではなるべく早くお会いしたいので都合を付けていただけるようにお伝え下さい。連絡先は自宅番号になりますがこちらまでお願いします」
そう言って、花井建設の名刺の裏に電話番号を書いて渡した。