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てっしゅう
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「哀の川」 第三十四話

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母親は頭を深く下げて、「こちらこそ、よろしくお願いします。わがままな娘ですが、気持ちは優しい子です。気兼ねなくこちらにも寄ってくださいね」
「母さん・・・ありがとう。式は挙げないけど、身内だけでパーティーしましょう。六甲ホテルがいいわね」
「そうか、じゃあいつが空いているか聞いてみて、早速予約しよう。純一、明日一緒に行ってくれるか?」おじいちゃんの言いつけに「いいよ」と返事をして、杏子にお祝いを言った。

「杏ちゃん、おめでとう!幸せになってね。父も母もきっと喜ぶよ。佐伯さん、お願いして本当によかった。嬉しいです」
「純一君、キミのおかげだよ。礼はこちらから言わないといけなかったね。いつでも遊びに来いよな。彼女連れて来いよ、一緒にどこか遊びに行こう。なあ、杏子・・・」
「そうね、純一が声かけなかったら、私たちはこうなっていなかったものね。私からも、ありがとう。一緒に遊びに行こう、きっと楽しいよ」

二人の幸せそうな様子を眺めながら、過ぎ去った杏子との過去を純一は消し去ろうとしていた。