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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回・弐】ハリスのハリセン

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「みっつるんてば寂しがり屋さんなんだからもー」
「うるへー;」
笑いながら南が言うと坂田が怒鳴る
そんな二人の横を車が通り過ぎていく
「中島にもだいぶあってねぇよなー…夏休み始まってから全然俺ら顔あわせてなかったもんなー…」
薄手の半袖パーカーのポケットに手を突っ込んで歩く南が隣を歩く坂田をチラッと見た
「…まぁな」
坂田が小さく返すと南がため息をついた
「あのなぁ…;」
「…悠…」
何か言おうとした南に対して坂田が石段を駆け下り走っていく小さな後姿の名前を口にした
「悠? あ…悠だねぇ…何あわててんだろ?」
南も走っていく後姿を見て言う
「ただ事じゃないよう…なカンジ?」
坂田の肩に南が手を置く
「…いくぞ」
タッと坂田が走り出した
「いっやーん; 待ってー;」
その坂田を南が追いかける
「悠!!」
坂田が呼ぶと悠助が振り向き
「あぶ…ッ!!!;」
南の声とともに悠助の足がもつれた
「わ…;」
転ぶのを覚悟したのか悠助が目を瞑る
「あっぶねー;」
間一髪坂田が悠助を支えると三人して安堵の息を吐いた
「あ…坂田ありがと…」
悠助が坂田を見上げてお礼を言う
「んや…俺が呼んだからコケたようなモンだし; …で? 何そんなに急いでるんだ?」
坂田が悠助の頭に手を置きながら聞く
「京助…見なかった?」
悠助が京助の名前を口にすると坂田がぴくっとそれに反応した
「…京助がどうかしたの?」
少し遅れて南が聞き返す
「京助…いないの…京助…」
「いない…って…どこいったんだ? 俺ら向こうから来たけど…見なかった…よ、な?」
しょぼくれた悠助を見て坂田がそういいながら南にも目で聞く
「う…ん京助は見てない…けど」
南が頷きながら言うと悠助が向かおうとしていた方向を見た
「じゃぁやっぱりこっちなんだ…」
ボソッと言った悠助が坂田の手を掴んで下ろすとまた走り出した
「ちょ…待ってればいいじゃん; すれ違いになるかも知れねぇぞー!!?;」
走っていく悠助に坂田が叫んだが悠助は止まる気配がない
「…どうする…?」
南が坂田に聞く
「…きまってんじゃん」
坂田が走り出した
「…俺体力ないのにー; もー…;;」
南もため息を吐き坂田に続いた