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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回・弐】ハリスのハリセン

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「義兄様ずるいー!! 」
開いた襖からちょっと怒ったような声がして慧喜が京助の服をつかんでいる悠助を抱き上げた
「悠助もー!! もう…」
ぎゅうっと悠助を抱きしめた慧喜がぷーッと頬を膨らませる
その様子をあっけにとられたように一同が見ていた
「…き?;」
制多迦が慧喜に声をかけるときょとんとした顔で慧喜が制多迦に向って小首をかしげる
「どうしました? 制多迦様…? あれ? 矜羯羅様も…どうしたんですか? 俺の部屋の前に集まって」
「…どうしたって…お前が…;」
?マークを頭に上に5個くらい出した慧喜が一同に聞くと京助が口の端を上げつつ慧喜を指差した
「…慧喜?;」
緊那羅が慧喜に声をかけるとこんどは緊那羅のほうに顔を向けてきょとんとする慧喜
「なんなんだ? 緊那羅も…なにかあったの?」
「だからおま…」
「慧喜」
京助が何か言おうとしたのを矜羯羅の言葉がさえぎった
「はい? なんですか矜羯羅様…」
「……カキ氷食べに行くよ」
「はぁッ?;」
矜羯羅の言葉に京助が思わずすっとんきょうな声を上げた
「はい!!」
慧喜が笑顔で返事をして悠助を下に下ろすと悠助の手をとった
「食べに行こう悠助」
「え…あ…うん…」
悠助がどもりながら返事をしてうなずくと慧喜がにっこりわらった