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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回・弐】ハリスのハリセン

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勢いよく緊那羅の額の二つの点を指でどついた
「い…何するんだっちゃッ!!!;」
緊那羅が額をおさえて怒鳴る
「あのなぁ…いい加減にしろよ?」
半分呆れたような声で京助が頭を掻きながらため息をついた
「操ちゃんは【だっちゃ】なんつー話し方はしてなかった、デコポチもないし覚えてる限りではお前みたいなあんな奇想天外な動きもできねぇ」
「でも! でも私のこの体は…ッ」
「世の中にはノッペリだかいう…三人は同じ顔してるヤツがいるっつー話だ」
「キョウスケ、そこドッペルドッペル;」
自信満々でいった京助にハリスがさり気に突っ込む
「それよ、いいか? 操ちゃんはお前のノッペルだノッペル」
「いやドッペルだからして旦那」
ハリスに突っ込まれてもなおドッペルと言わない (言えない)京助に今度は坂田が突っ込んだ
「…京助…」
「誰にだってしらねぇことだってあるだろいいじゃん知らんくて」
緊那羅の眉が優しく下がる
「…しょっぱいねぇ…ってかもう見慣れたけどさぁ…ねぇ? あ…」
南がハッハと笑いながら阿部の方を見てギョッとした
「阿部…ちゃん?;」
むすっとしてあからさまに不機嫌な表情の阿部とその阿部から出ている闘志というか…まぁ燃えるオーラの気配に南が思わず苦笑いでゆっくりとその場から離れそして坂田の陰にコッソリと隠れた
「あなたのお名前なんてーの、ハイ!」
「えっ…; き…緊那羅…だっちゃ…?;」
パパンと手を軽快に鳴らして京助がリズミカルに緊那羅に聞くとどもりながらも緊那羅が自分の名前を言う
「じゃ緊那羅じゃん、はいおわーり」
そしてパンっと最後に大きめに手を鳴らしてヘッと口の端をあげて笑った
「…見事だねぇキョウスケ…」
ハリスが感心してほうほうと頷く
「何がやねん;」
何に感心されたのかわからない京助がハリスに聞いた
「いやいや…ここまで強引にそしてここまでさっぱりと纏め上げることできるなんてさ…一種の才能とでもいえるよキョウスケ」
パチパチと拍手をしてハリスが京助をほめる
「…香奈も言ってた…京助っているだけで場がまとめられるって…すごいよね…」
阿部が頬を少し赤くして微笑む
「まぁ…確かに…そうかもしれねぇな…」
坂田も同意して頷く
「ヨーシ! 僕決めた!」
ハリスがニーッっと笑って京助の肩をたたいた