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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回・弐】ハリスのハリセン

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「うわッ;」
「危なッ!!;」
「ひどいよひどいよッ!!!」
ロケットダッシュで抱きついてきた慧喜によろめいた悠助を坂田が支えた
「俺をおいてッ…俺っ…」
「あっついよ~慧喜~;」
グリグリと慧喜が頬を悠助に擦り付ける
「おお…日本にも熱烈な女性がいるんだねー…いいねユウスケ」
ハリスが慧喜を見てハッハと笑う
呆れ顔でそれを見ていた坂田がふと顔を上げそして…
「…緊那羅…」
「あん?」
ボソッと言った坂田に京助が反応して同じく顔を向けると数メートル離れたところに立っていたのは緊那羅…とヘロケソの南だった
「おー!! 金髪…地毛? 染め毛?」
「染め毛ってなんじゃ; 染め毛って;」
緊那羅を見たハリスが言うと京助がすかさず突っ込む
「んー!! いいね今のノリ突っ込み! !ごうっかっく!!」
「駄目------------!!」
ハリスがバシバシと京助の背中を叩くのを見た悠助が叫んだ
「…悠?;」
周りが驚きそして同じように驚いていた慧喜の腕から悠助が抜け出すと京助の腰にしがみついた
「…なしたん; お前さんはよー;」
むすっとした顔でハリスをにらんだ悠助の頭に京助が手を置いた
「悠助…」
さっきまで悠助を抱きしめていた慧喜の腕が悠助を失ってそのままだらんと下がった
「っ…義兄様の馬鹿-------------------------!!!!!!」
「だっ;」
「うわ;」
「俺かよ!!!;」
泣き叫びながら慧喜が緊那羅と南を押しのけて栄野家方向へと全力で駆けていく
「…南…? 生きてる…っちゃ?;」
尻餅をついた緊那羅が地面とディープキッスをしている南に声をかけると人影が覆いかぶさった
そして
「…ん」
差し出された手
「…さ…」
「はよ掴め」
掴むのを躊躇っていた緊那羅に坂田がぶっきらぼうに言う
「…う…ん」
差し出された緊那羅の手を掴むと坂田がぐいっと緊那羅を引っ張ってたたせる
「ほれ; いつまでアスファルトとラブシーンしてんだお前も;」
坂田がペシンと小気味いい音をさせて南の尻を叩いた
「あついよいたいよあついよいたいよあついよいた…」
「やかましい!!!; さっさと立て!!;」
顔を上げずにしくしくとすすり泣きながら呪文のように言い出した南の尻をさらに坂田が叩く
「その辺でやめとかねぇと南の尻われんでー;」
腰に悠助を引っ付けたまま京助が南と坂田の漫才に突っ込んだ
「あの…坂田…わた…」